【クロストーク】税務マネージャー×総務から見たスタートアップとは?
スタートアップ会計事務所のことをもっと知ってもらうため、スタッフのインタビューやプライベートをお届けする採用メディア・ST場(スタバ)。
今回は本メディア初のクロストークが実現!
ゲストは事務所の創業期から成長をともにしている総務・薬師神真希さんと、2017年の入社以降、税務マネージャーとして活躍している福田朋彦さんです。
入社時のエピソードをはじめ、スタッフ育成時の信念、これからのスタッフに求めることなどを取材。
さらに面接のときにチェックするポイントも、特別にお話して頂きました!
「総務」「税務マネージャー」として、それぞれ事務所を支える立場となった2人が見ている景色とは――
Interview:室井健吾
入社時のエピソードと成長期だからこその苦悩
――様々な立場の人がいる中で方向性を揃えるのは、なかなか難しくて。(福田)
●まずはスタートアップ会計事務所(以下、スタートアップ)入社時のことをお聞かせください。
薬師神:私は入社して5年目なんですけど、最初は渋谷の道玄坂で5人くらいで作業している時期から働いています。そこがすごく汚くて狭くて。
●大堀さんの代表インタビューでも、そうお伺いしました(笑)。
薬師神:朝とかカラスに襲われそうなところでしたね(笑)。
●前職では、どんな仕事をしていたんですか?
薬師神:前はとある大企業で経理の仕事をしていました。そこがすごく大変で、夜中の2時くらいまで残業してタクシーで帰るみたいな生活をしていたんです。毎日すごく眠くて、朝は始発で出社するみたいな生活をしていたら、旦那から「もう辞めてくれ」と言われてしまって。
●実際にスタートアップに入社して改善しました?
薬師神:だいぶ改善されましたね。遅くても20時くらいまでで帰れるようになりました。気持ち的に楽になりましたね。業務的にも所長の大堀さんや周りにいたスタッフが丁寧に教えてくれました。
●福田さんは、いつ頃入社されたんですか?
福田:2017年の6月ですね。前職も会計事務所だったんですけど、送別会のときに、スタートアップから連絡が来たんです。「じゃあ今から行きます」と言って、その夜に面談をしてもらいました。
●ずいぶん急ですね。
薬師神:私と福田さんは、前にいたスタッフの紹介で入ったので、他の人とはルートが違うんですよね。
●入社試験などもなく?
福田:なかったですね。普通は入社が決まるまでに、もっと精査することがある思うんですけど…。面接したその日に「8月から働きます」みたいな、当時は軽いノリでしたね。
●そもそも前の会計事務所は、どうして辞めたんですか?
福田:お恥ずかしい話ですが、いろいろな事に対して調整ができず、事務所で自分の必要性を見出せなかったので退職しました。
●実際にスタートアップで働いてみて、どうでしたか?
福田:必要性は感じられるようになったんですけど、前の事務所と違ってウチはベンチャーだから、“頑張ってなんとかしなきゃ”という別の問題が出てきてしまって。それが苦とは思っていないんですけどね。
薬師神:福田さんは「マネージャー」という立場だからというのもありますよね。
●そういう問題が出てきても、働けている原動力はなんですか?
福田:大堀さんの人柄もそうですし、何より「やりがい」が大きいですね。
薬師神:成長期だから新しい業務がどんどん増えていって、やりがいはかなりありますよね。
福田:ただマネージャー、担当者、アシスタント、労務部門…と様々な立場の人がいる中で方向性を揃えるのは、なかなか難しくて。
●それぞれの立場や視点が違いますからね。
福田:税務のマネージャー陣で「よし、この方向で行こう」と決まりかけても、労務目線や女性目線だとまた違った見え方をしていて。色々な考えがある中で、せめて方向だけでも合わせようと思っても“こんなにズレがあるのか…”と思うこともあります。だからと言って、強引に進めてみんながついて来れなくなったら意味がないと思うので。
薬師神:マネージャーと担当者と総務では見る立場が違うので、意見が対立することはありますよね。
●対立したときは、できるだけ折衷案を探していくんですか?
福田:そういう場合もありますし、納得したうえでお願いすることもあります。“対立”というよりは、提案しながら“対話”していく感じですね。
必要なのは“スキル”よりも“ガッツ”
――未経験のスタッフが入って来るようになって、“私の言ってることって難しいんだな”と気づきました。(薬師神)
●今後入社される人にも、そういう柔軟な“対話”ができる人を望んでいますか?
薬師神:私が欲しいスタッフは、「自分の意見を持っている人」です。芯が強い人がいいですね。
福田:僕はガッツと根性ですね。未経験で入社したスタッフは、最初は自分すらなかったと思うんです。それを教えていく中で“自分”というのをしっかりと持たせてあげるところから始まって。そういう意味ではガッツがあればいいです。
●経験やスキルがなくても、ガッツと根性があればやっていける環境はある。
福田:自分のダメなところを直視するのは、けっこう辛いと思うんですよ。そういうのをありがたいって思ってくれる人ならいいんですけどね。
薬師神:私は未経験のスタッフに対して、最初は話すときの声のトーンや身振り手振りなど、細かいところから教えていきました。私があえて嫌なお客さん役をやるロールプレイングを何回もしたりして。
福田:そう考えると、逆境を楽しむというマインドも必要かもしれないですね。 当時は「薬師神さん厳しすぎだろ…」という声もありましたけど(笑)。
●でもそれを乗り越えたから、今の活躍があるとも言えるのでは?
薬師神:そうですね。未経験で入社したスタッフは、最初「何が分からないのか分からない」とよく言っていて。それが今や立派なマネージャーですよ。会話の瞬発力も上がって、しっかりと言葉で表現できるようになりました。
●福田さんは、マネージャーとしてどんな信念を持って教えていましたか?
福田:今もそうなんですけど、僕は自分が最初できなかった劣等感を忘れられなくて。未経験で入社してきたスタッフも、“きっと同じように感じているんだろうな”と思っていました。僕は1段ずつでも成長してくれればいいと思っているんですけど、できる側の立場からすると、“一気に3段登って欲しい”と思いがちなんです。でも“いきなりそれは厳しいよな”と思っていて。
●少しずつステップを踏んでいくというか。薬師神さんは一気に3段登って欲しいタイプですか?
薬師神:一気に10段くらい駆け上がって欲しい気持ちです(笑)。
●真逆ですね(笑)。
薬師神:でも未経験のスタッフが入って来るようになって、“私の言ってることって難しいんだな”と気づきました。あまり求めすぎちゃいけないと思ったり、“もうちょっと丁寧に教えようかな”と思うようになりましたね。自分が新卒で入った会社は、IT系で周りができる人だらけだったんです。だから自分で調べて努力しないと、置いてけぼりになるというのが当たり前の環境で。でもスタートアップに来てみて“自分と人は違うんだな”と、毎日実感するようになりました。
面接官としてチェックするポイント
――“正解がない中で、なぜそれを選んだのか?”というのが重要なんです。(福田)
●ところで現在はお二人とも面接官をされていますが、まずどういうところを見ていますか?
福田:僕は表情ですね。
薬師神:私も表情です!ちゃんと目を見て話せるか?とか、話すときに身振り手振りで“伝えよう”という想いがあって、私に語りかけてくるかというところですね。話の内容は、極論なんでもいいんですよ。
福田:履歴書に色々と書いてあってもあまり重視していなくて。先に「おはようございます!」と元気に挨拶されただけで、“おっいいね!”と好感を持てるんですよね。担当者の仕事は人付き合いが重要なので、それさえあればいいかもしれないです。素直に頑張ってくれれば、やっていけると思います。
●挨拶や表情が明るくて元気な人。
薬師神:あとは服装も気にしますね。シャツがヨレヨレとかはNGです(笑)。
福田:そういうところでも、第一印象は下がりますよね。
●“面接のときだけ元気そうに振る舞っているのかも…”というのは、分かるものですか?
薬師神:全然分かります。“人見知りなのかな?”とかも分かります。
福田:目の奥が暗いとか(笑)。
薬師神:今まで入社して来た人は、だいたい私が最初に案内したりお茶を出したりしているんですけど、記憶とか印象に残っている人は、けっこうな割合で入社されていると思います。逆に印象がない人は、あまり入社されていない気がしますね。
●どこかに引っかかりがあって、印象に残っている人がスタートアップに入っている。
薬師神:とは言っても、ウチは人見知りが多いですよね。
福田:「明るく元気な人がいい!」とか言っておきながら(笑)。
●ハハハ(笑)。他に注目するポイントはありますか?
薬師神:私は“自分の言葉で話せているか”というところは、見ますね。
福田:しかも必ず答えにくい質問を入れますよね?
薬師神:「自分を動物に例えると?」とか、正解のない質問を突然してみたり。
福田:“正解がない中で、なぜそれを選んだのか?”というのが重要なんです。
●心理テストみたいですね。
福田:だから通常の対策で来ても、“えっ!?”と驚くと思います。でもそういうところに本質が見えるので。
●ちゃんと自分の言葉で話せるか。
薬師神:プレゼン力というか。あと最後に聞くのは「あなたにとってチームワークとはなんですか?」という質問ですね。「6つの採用基準」の最後にも“人のために働けること”というのがあると思うんですけど、そこはしっかり自分の言葉で説明して欲しいですね。
●実際に入社した人には、何を期待しますか?
福田:元気でいてくれれば、それでいいです。
●業務的なことではなく、元気があればいい。
福田:自分に役目があると認識して働いている人は、おのずと元気になると思っているので。役目を持って生き生きと働いて欲しいですね。
薬師神:私は“常に人に見られている”ということを意識して欲しいですね。悪いことをしたら自分に跳ね返ってくると思うので。私はよく「ルールを守りなさい」と徹底して言うタイプなんですけど、それは人としてちゃんと尊敬できるようなスタッフになって欲しいからなんですよね。
スタートアップの課題と見据える未来
――目の前の人をハッピーにしていくことが、社会貢献にも繋がる。(薬師神)
●それではスタートアップにおける今後の課題は、何だと思いますか?
福田:自分より優秀な人が、優秀なまま働けるようにしたいです。
●持っている能力を、最大限発揮できるようにする。
福田:正直、後輩で僕よりポテンシャルが高いスタッフがいるんです。そのスタッフが本気を出して働ける環境にできればいいのかなと。
薬師神:私は“人を育てる”という点が課題だと思います。人が育っていないと、効率よく仕事ができないし、それが結果的に残業にも繋がってしまうので。マネージャー陣も含めて、“どうすれば効率よく育っていくか?”というのが見えていないのが課題ですね。でも今は“厳しくすればいい”という時代じゃなくなっているのも感じていて。
●そうですね。
薬師神:私とか福田さんは「頑張ってやりなさい!」という体育会系の時代だったし、そういうマネジメントを受けてきたんですよ。でも今は“褒めて伸ばす”のが主流になってきていますよね。今話題になっている「Nizi Project」の J.Y.Parkさんみたいな(笑)。それは繊細な人が増えているとも言えるんですけど。
●いわゆる“ゆとり”ですよね。
薬師神:でも「Nizi Project」を観ていると、“こういうことを言われると嬉しいんだ”とか、勉強になるんですよね。
福田:“まず褒めるんだ!”みたいな。
薬師神:そういうことを認識しつつ、今の時代に合ったマネジメントをしていきたいですね。
●将来はどんな事務所にしていきたいですか?
福田:大堀さんがよく言う“社会貢献”みたいな大それたことは言えないんですけど、見える範囲内の貢献ができればいいかなと思います。関わってくれた人たちがみんないい状態になれば会社の評価にも繋がると思うし、自分の評価にも繋がると思います。
●目の前の人を喜ばせるというか。
薬師神:それは大事ですよね。目の前の人をハッピーにしていくことが、社会貢献にも繋がると思うので。私にできることは、総務として働きやすい会社を作っていくことですね。いずれは、1人1人に合わせた働き方ができるような体制作りをしていければと思います。“家庭を大事にしたい”というスタッフもいますし。
●1人1人働くことに対するスタンスも違いますからね。
薬師神:とくにスタートアップは、お子さんがいるスタッフが極端に少ないからか、仕事一筋になりがちなんですけど、もうちょっと家庭を大事にして欲しいという気持ちもあります。プライベートが充実していないと、仕事も充実しないと思うので。自分が幸せじゃないと、人を幸せにはできないし。自分のことが好きじゃないと、人を好きになれないと思うんですよね。
福田:いい話ですね。
薬師神:だからみんなにも自分を大事にして欲しいですね。自分の心が元気ならお客さんもハッピーにできると思うから。そういうところは尽力していきたいなと思います。
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弊所は2015年に設立し、設立前後の企業のスタートアップを中心に、
経営支援を行っています。 2017年には社労士部門を設立し、お客様に
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