【インタビュー】 労務部門の社員第一号!スタートアップの歴史を知る労務担当者・清水菜月さん
労務部門の社員第一号として、スタートアップの基盤を作ってきた清水菜月(しみず なづき)さん。
2017年4月の入社以来、労務顧問として活躍しています。
「とにかく仕事ができる」と評判で、業務の締切が近付くとみんなのお尻を叩いて鼓舞する“面倒見のいいベテラン”です。
美大出身という一面を持つ個性豊かな清水さんに、事務所の歴史から仕事術まで幅広くお伺いしました。
Interview : ST場のベンチ
実家が社労士事務所という縁で、社労士業界へ
――親に勧められ、一度やってみようかなと思ったのがきっかけ
●スタートアップに入社されるまでの歩みを教えて下さい。
清水:新卒で地元・愛媛県の製紙会社に入社して、2年ほど営業事務の仕事をしました。
現場や営業スタッフとやりとりしながら、受注・発注などをこなしていましたね。
その次に実家の社労士事務所で5年ほど働き、労務の基礎を学びました。
そしてスタートアップに入社したという流れです。
●ご実家が社労士事務所なんですね!昔から社労士業界に入ろうと考えていたんですか?
清水:自分から入ろうと思ったことはないんです(笑)。縁があって入った感じですね。
どこかのタイミングで親に勧められ、一度やってみようかなと思ったのがきっかけです。
●もともと労務の勉強をしていたわけではないんですね。
清水:はい。学生時代は美大で日本美術を学んでいました。実家の事務所ではじめて勉強した感じです。
●ご実家の事務所では、どんな業務を担当していたんですか?
清水:今とあまり変わらず、労務顧問や助成金を担当していました。
●2017年の4月にスタートアップへ入社されましたが、東京へ行こうと思った理由はありますか?
清水:仕事をする上で、一度は日本の首都と呼ばれるところで働いてみようと思ったことです。
そんな軽いきっかけで、東京へやって来ました(笑)。
●スタートアップをどうやって知りましたか?
清水:社労士業界に特化した求人転職サイトで知りました。2016年の11月頃に応募したと思います。
●東京には社労士事務所が沢山ありますが、スタートアップへ応募しようと思った理由は?
清水:実家の事務所はお客様の年齢層が高く、私よりも20〜30歳くらい上の方が多かったんです。
次は若手のお客様を創業から支援できる事務所で、幅広く経験を積みたいと考えていました。
スタートアップは名前からも若々しいイメージだったので、応募してみようと思いましたね。
●実際に内定が出るまでにはどれくらいかかりましたか?
清水:最終的に内定のご連絡を頂いたのは、2017年の1月頃だったと思います。
面接の思い出
――労務部門の基盤を一から作り上げていくんだろうな、というイメージを持ちました。
●愛媛県の喫茶店で、最初の面接を受けたんですよね。
清水:はい。面接場所は、私の実家近くの喫茶店に設定してもらいました。
当時愛媛に住んでいたことと、面接時期が年末だったことを考慮してくださったんだと思いますね。
清水:はい。面接のご連絡を頂いてからそのことを知り、驚いた記憶があります。
●喫茶店での面接は、どんな雰囲気でしたか?
清水:終始和やかな感じでした。特に印象深いのは、大堀さんが交通機関の関係で10分遅刻したことです(笑)。
飛行機から降り立ったばかりという感じで、颯爽とスーツケースを引いて来られましたね。
●それは驚きますね!面接時間や内容はどうでしたか?
清水:1時間〜1時間半くらいだったと思います。
主に就業規則の話をしました。お客様の就業規則をどうやって、何をポイントに作成するかといった内容です。
●働き方はイメージできましたか?
清水:働き方というよりは、労務部門の基盤を一から作り上げていくんだろうな、というイメージを持ちました。
大堀さんも初めて社労士事務所を持つというお話だったので。
●愛媛のご出身同士ということで、やっぱり親近感はありましたか?
清水:はい。愛媛は結構広いので、どこの人なんだろうという興味もありました。
●愛媛での面接が1回、その次に条件面談が1回という感じですか?
清水:私の時はそうでしたね。2月の条件面談では新宿まで赴き、当時の事務所で受けました。
●面接で意識したことはありますか?
清水:聞かれことにはきちんと答えて、自己アピールするタイミングだと思ったらそうする感じです。
どの面接でも“会話のキャッチボール”をするように、心がけていますね。
あらかじめ、しっかり答えを考えていくことはしませんでした。
●愛媛での面接で、手応えはありましたか?
清水:悪い感じはしませんでしたが、はっきりした手応えはなかったです。
●こちらの選考と並行して受けていた事務所はありますか?
清水:1社受けていました。受けたあとに分かったんですが、以前に父が一緒にお仕事をさせていただいた先生の事務所だったようです。
「ぜひうちにどうですか」とお話を頂き、ご縁を感じていたので迷いましたが、最終的にお断りしました。
●迷われた中で、スタートアップを選んだ決め手はありましたか?
清水:内定を先に頂いていたことが主な理由ですが、HPも大きかったです。
HPを更新してない社労士事務所が多い中、スタートアップのHPは情報が新しくて、全体の雰囲気もよかったですね。
入社後
――とにかく全力で取り組んで、一つ一つ終わらせるしかない日々
●今は多くの社員がいますが、清水さんの入社時は全体の規模がとても小さかったと聞いています。
清水:税務と労務を合わせても、全体で10人程しかいませんでした。
代表者には色々なタイプがいますが、大堀さんは規模を拡大していくのが向いている方なのかなと思いますね。
大堀さんが立てた計画に沿って、組織が大きくなっていっていると思います。
●清水さんは、スタートアップの労務部門で一番最初の社員ですよね。東京に初めて住むだけでなく、基盤のない労務部門で働くことに不安はありませんでしたか?
清水:住めば都というか、割とどこへでも行けるタイプなので、不安はありませんでした。
●フットワークが軽いんですね!労務部門が清水さんお一人だった期間は、どのくらい続いたんですか?
清水:私は有資格者じゃないので、他に資格を持っている人がいないと色々な業務ができない状態だったんです。
でもそのあとすぐに、社労士の資格を持った方が来てくれて。
きっと「このままじゃ開業できない」と大堀さんも焦ったんじゃないですかね(笑)。
●スピーディーに色々と進んでいったんですね。
清水:はい。1年半くらいは、その社労士の方と二人三脚でやっていました。
それから徐々に社労士の人数も増えて、今に至ります。
●実際に入社してみて、面接時の印象とギャップはありましたか?
清水:特にありませんでした。面接の時に受けた、基盤を一から作り上げていくイメージ通りでしたね。
初期は特に個性的なメンバーが集まっていましたが、変に上手くやろうとはしませんでした。
やるべきことを粛々とやっているうちに、スムーズに回り始めたように思います。
●拡大を続ける労務部門ですが、その変化をどう感じていますか?
清水:労務部門が4人だった2019年の初め頃までは、革新的なものを取り入れようとする風潮が特に強かったです。
一番大きかったのが他事務所からの事業譲渡で、そこで助成金の部門が立ち上がってから、方向性や体制がガラッと変わった気がしますね。
事業譲渡は本当に大変でしたが、仕事の幅が大きく広がりました。
●前職とスタートアップでの相違点はありますか?
清水:お客様の年齢層です。実家の事務所では、親と同世代のお客様が多かったのに対し、今は20〜30歳くらい若返りました。
あとは新しい情報が入ってくるスピードも違いますね。
スタートアップはウェブ会議やアプリの導入など、迅速に新しいことを取り入れていると思います。
●これまでで大変だったことを教えてください。
清水:事業譲渡を受けていた時期が一番大変でした。
訓練の助成金という、研修を請け負ってお客様に提案する仕事があるんですが、それを私がほぼ1人で担当していたんです。
何百万〜何千万単位の前払いをし、支給が降りなかったらその全額返金を私達がやらないといけないような助成金なので、責任も重かったですね。
●事業譲渡の期間はどれくらいでしたか?
清水:1年〜1年半くらいですね。戦場のようでした(笑)。
●労務部門は、皆さん大忙しだったと聞きます。清水さん個人としてもすごく大変だったんですね。
清水:そうですね。訓練の助成金については、私ともう1人の社労士の方しか知らなかったので大変でした。
ミスをすると全額返金になってしまうので、それをひたすら防いでいたという感じです。
私のあとに入社した吉田さんや鈴木くんは、助成金チームを作り上げていくことや、パートさんたちの育成で大変だったんじゃないかと思いますね。
●大変な時期を乗り越えられた理由はありますか?
清水:とにかく全力で取り組んで、一つ一つ終わらせるしかない日々の中で、気付いたら落ち着いていた感じです。
●当時のストレス発散方法は何でしたか?
清水:今でもそうですけど、日々のお昼ごはんを楽しみに頑張っていましたね。
電話が鳴り続けるくらい忙しかった時期も、お昼は外に食べに行って気分転換をしていました。
たとえ事務所で食べたとしても、電話をとるかどうかの選択権は私にあると思っていましたね(笑)。
仕事のこだわり
――自分の考えや記憶を100%信じないこと
●現在の業務を教えてください。
清水:主に労務顧問と助成金対応をしています。労務顧問が7〜8割、助成金対応が2割くらいですね。
具体的には入退社の保険関係手続き、給与計算、労務相談、就業規則作成、助成金申請などを行っています。
顧問料適正委員会にも入っていますね。
●助成金に深く携わるようになったのは、スタートアップに入ってからですか?
清水:はい。助成金は一歩間違ったら資格が飛んでしまう、ハイリスク・ハイリターンな仕事です。
実家の事務所でもやっていたんですけど、大々的にプッシュしている感じではなかったですね。
助成金申請に力を入れているスタートアップに入社してから、取り扱う助成金の種類は増えたと思います。
●正確な仕事振りが評判ですが、失敗談はありますか?
清水:自分の考えや記憶を100%信じないことは大切にしています。
前職での話ですが、記憶に頼って確認せずに進めた結果、間違えてしまった経験があるので。
それ依頼、過去の書類についてもスキャンしたものを見るなど、しっかり確認することを心がけています。
●労務経験は10年以上になるとお伺いしているんですが、嬉しかったことはありますか?
清水:スタートアップに入社してからだと、お客様のプレパーティーに招待された時ですね。
呼んでもらえるくらい、しっかり信頼関係を築けているのかなと思いました。
代表が呼ばれることが多い中で、担当者として招待されて嬉しかったです。
●それは嬉しいですね!社労士業界のやりがいや、魅力を教えてください。
清水:就業規則の完成時や助成金が無事に下りたときに、やりがいを感じます。
お客様に喜んでいただけると、私も嬉しくなりますね!
魅力としては税理士業も同様ですが、世相を反映する業界なので、世の中の流れに合わせた仕事ができることだと思います。
専門分野に詳しくなれることも強みですね。
●常にインプットすることが必要なんですね。
清水:はい。毎年変わる法律があったり、お給料も昇給の基準などが春闘で決まったりします。
そういう情報を常に仕入れておくと、お客様への時事ネタとして喜ばれますね。
税理士も社労士も、最終的には経営者の方と話す仕事なので、コミュニケーションにも役立つと思います。
●清水さんは未収*がとにかく少ないですよね。その秘訣を教えてください。
清水:未収の原因を突き止めることが大切です。
払い忘れや振り込み忘れがあったら、気づいた時点で「いかがでしょうか?」と声をかけます。
お金の回収を負担に思わず、仕事としてしっかり請求する気持ちが大事ですね。
*…お客様からの報酬を、回収できていない状態のこと。
●お客様にお支払いを促すコツはありますか?
清水:お客様に、「この人は絶対に催促してくるな」という印象を持ってもらうことですね。
期日を過ぎたらこまめに連絡して、「ちゃんと見てますよ」とアピールできれば、お客様も意識してくれると思います。
労務部門の現状とこれから
――感情的にではなく、きちんとした理由を持って説明することは大切だと思います。
●清水さんは人にきちんと注意することができると伺っていますが、とても大事なことですよね。
清水:うちの事務所は全体的に、注意するのが苦手な人が多い印象です。
感情的にではなく、きちんとした理由を持って説明することは大切だと思いますね。
みんな嫌われたくない気持ちがあるのかもしれませんが、誰かのためになるなら、しっかり注意して伝えるべきだと思います。
時には直接的な言葉で言わないといけないこともありますが、今後注意できる人が増えていって欲しいですね。
●今の労務部門では、お互いに声をかけ合う雰囲気はありますか?
清水:できている部分と、できていない部分があると思います。
自分の仕事を終わらせるだけじゃなくて、もっと周りを手伝ってあげたらいいのになと思うこともありますね。
大変な人がいることに気付く力には、個人差があるのが現状です。
●個人主義にならず、広く周りを見ることが大切なんですね。
清水:それぞれに実力があって自分の仕事を回せて、クレームも出さないのであれば、個人主義でも問題ないと思います。
でも今はまだ、みんなで周りを見ながらやっていく段階なので。
未経験の人への育成や、アシスタントさんへのフォローなど、自分のこと以外にも意識を持つことが大切だと思います。
●考えを共有する機会はありますか?
清水:会議で話したりチャットを使ったりして、大堀さんや岩元さんにはしょっちゅう意見を言っています(笑)。
全体としても、仕事上ですれ違いが起きないように、先に動きを共有していますね。
●労務担当者の採用を増やしていますが、入社後のフォロー体制はどうですか?
清水:まずは誰かが隣について、教えていきます。
最初は簡単なことから始めて、数週間〜2ヶ月間くらいは担当者のアシスタントのような感じで入ってもらい、補佐しながらやっていきます。
担当者を目指す場合は、実際にお客様を持つのが一番速く成長できるので、聞いてもらいつつ進めてもらったりもしますね。
●教えてもらいながらステップアップしていく仕組みがあるんですね。
清水:明確なステップアップの段階を設けているわけではないですが、それぞれの実力を見ながら、きちんと教える体制は整っています。
●今は人数も増えた労務部門ですが、全体としてどんな雰囲気ですか?
清水:助成金チームはお酒好きが多いので盛り上げ担当、労務チームは真面目担当というイメージがあります。
私はどっちにも足を突っ込んでいますね(笑)。
労務と助成金を足して2で割ると、ちょうどよくなるかなと思います。
●労務チームと助成金チームで、関わり合いはありますか?
清水:業務内容による部分が大きいですね。
自分から積極的に関わっていくと、より交流できると思います。
私はよく人の机の上にあるお菓子を勝手に食べたりしますよ。
●いいですね(笑)。
清水:やりすぎると怒られるので、バレない程度に(笑)。
●労務全体で気持ちを1つにしている部分や、軸にしている考え方はありますか?
清水:なるべくフォローし合う姿勢ですね。
フォローがないと忙しい人が潰れてしまうので。そういった意識はこれからも上げていきたいと思います。
どんな人がスタートアップで活躍できるか
――遊び心を持って取り組めると、しんどくなりづらいと思いますね。
●人の入れ替わりを多く見てきた清水さんですが、どういう人ならスタートアップで活躍できると思いますか?
清水:税理士業も社労士業もそうですが、国家資格があるだけに、知識が必要な仕事です。
お客様あっての商売だという意識を持って、知識のインプット・アウトプットを磨いていくことが重要ですね。
あとはタフさがあって、上手く気が抜ける人だといいと思います。
遊び心を持って取り組めると、仕事量が増えた時にしんどくなりづらいと思いますね。
●ガツガツやっていきたい人なら大丈夫ですか?
清水:周りを見ながら熱くなれる人は、活躍できると思います。
仕事を抱えて大変な人をフォローできないといけないので、チームワークも大切ですね。
●清水さんは、普段どういう遊び心を持ってやっていますか?
清水:私自身はそんなに真面目なタイプじゃないので(笑)。良くも悪くも、自分らしくやっているかなとは思います。
落としたらまずいポイントには気を張りますが、それ以外では「ここはこうだから、明日でもいいか」というように、いい意味で手を抜くようにしていますね。
メリハリをつけることが大切だと思います。
●忙しい気持ちを、お家でも引きずってしまうことはないですか?
清水:例えば仕事のことを考えて眠れない、といったことはないです(笑)。
「今日はここまでにして、明日はこれをやろう」と計画は立てますけどね。
締切があるなら逆算して段取りを組むなど、焦らなくてすむようにも心がけています。
そういうタフさがあると、うちの事務所に合う気がしますね。
今後の目標と、これから応募する方へのメッセージ
――目標は、みんなのスキルアップに貢献していくこと
●今後のスタートアップでの目標はありますか?
清水:みんなのスキルアップに貢献していくことです。
例えば助成金の仕事だと、スキルが上がるほどスムーズに進んだり、トラブルを抑えられるんですよ。
みんなの全体的な能力を底上げしていけば、これまで以上にレベルの高い仕事や、法務意識の高い会社の対応ができるようになると思いますね。
●周りを見つつフォローして、引っ張っていく感じですね。
清水:私だけの力では難しいので、全体で同じように意識を持ってくれると嬉しいですね。
これから支店もできてメンバーが分かれていくので、担当者によってサービスの質に違いが出ないようにしていきたいです。
●働き方の目標はありますか?
清水:社内全体で力を入れていますが、無理せず早めに帰ることが目標です。
繁忙期は仕方ないかもしれませんが、ある程度の時間でちゃんと帰ったほうが、色々なバランスがとれると思います。
譲渡の時に働きすぎて、「これでシミとクマができたら、大堀さんにボトックスの注射代を出してもらう」という宣言を大堀さんにさせて頂きました(笑)。
●すごいですね(笑)。プライベートでの目標はありますか?
清水:去年秘書検定の2級を取ったので、今年は1級取得を目指したいです。
1級は面接があってハードルが高いので、ちゃんと勉強しようと思います。
●最後に、これから応募される方へ一言お願いします。
清水:世相とリンクしている部分があり、日々勉強が必要な職種ですが、何でも興味をもって覚えていくと実力は付いていきます。
お客様相手なので、インプット・アウトプットのコミュニケーションも大事です。
私を助けると思って、ぜひご応募ください(笑)。
タフで、上手く気が抜けて、協調性がある方なら大歓迎です!
●清水さん、ありがとうございました!
おまけエピソード
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WITH YOU
新しい“スタート”をともに
弊所は2015年に設立し、設立前後の企業のスタートアップを中心に、
経営支援を行っています。 2017年には社労士部門を設立し、お客様に
税務・会計だけでなく、労務分野でもサービスを提供できる体制が整いました。
「今」ではなく「将来」に向け、成長していただける方!
平均年齢が若く、おしゃれな事務所で、夢や目標を一緒に実現しませんか?